PFSはフィナステリドにのみ起因するものなのか？

今日では多少存在が知られているポストフィナステリドシンドロームですが、例えば他の物質によって似たような症状が引き起こされることはあるのでしょうか？

先に結果を言えば、YESということになります。ここでは、単なる男性更年期障害と区別するため、症例が複数あり、薬物又は物質による影響の可能性が高いと複数の医師が判断したもののを選出しています。

具体例をいくつか挙げておきますので、気になった方は自分で調べてみてください。

デュタステリド(aga治療薬、前立腺肥大治療薬)、アキュタイン(ニキビ治療薬)、アナボリックスステロイド(筋肉増強薬)、ノコギリヤシなどになります。(サプリメントとして比較的安全性が高いノコギリヤシですが、ノコギリヤシも立派なDHT阻害剤の一つです)

日本語で検索しても情報は極めて少ないので、英語で「post (物質名) syndrome」などのように検索してみてください。

さて、これらの結果からわかることは、デュタステリドやノコギリヤシは、5ar還元酵素の阻害剤だという点です。要は5ar還元酵素の働きを阻害し、DHTの産出を防ぐ物質によってPFSが引き起こされる可能性が高いということになります。しかし、ここの作用機序については判明していないことが多く、DHTの欠如によるものなのか、5ar還元酵素によるものなのか意見が分かれているところでもあります。

一方でアキュタインやアナボリックスステロイドといった、DHTだけに強く影響を与えるものではない物質にも類似した後遺症があるということがわかっています。(催奇形性や鬱などの副作用が有名です)

これらの２つのグループの副作用、後遺症が全く関係ないという可能性もありますが、仮に関係しているとするとPFSの原因はDHTや5arだけの問題ではないと推定されます。確かにPFS患者にDHT補充の治療をしても完治しないことや服用を辞めて脱毛やニキビが生じた(体内でDHTが生成され始めた)人にも症状が残っていることなど、それを裏付ける事象は多く存在します。

今回の内容を端的にまとめれば、「PFSはフィナステリド以外からも発症する可能性が高いが、その因果関係は不明である」ということになります。現在はPFSという仮称が付けられていますが、本来は何か別の名前(例えばホルモン不均衡症候群のような)が付けられるべきなのだと思います。

新たな被害者を出さないためにも、この病気に現在も苦しんでいる人のためにも、一刻も早い原因解明を望むばかりです。。。

一応以下にPFS財団のリンクを貼っておきます。PFSに関する最新の研究の情報が閲覧できますので、興味がある方はご覧ください

https://www.pfsfoundation.org/

https://gamp.ameblo.jp/matsubooon/entry-12574271229.html